シャイな六郷さん(9)理想の結婚式、理想の新居とは?

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結婚相談所で出会った無口な六郷さんと2度目のデートで動物園に来た私。

ひょんなことから結婚生活の話になりました。

「自分の時間が欲しい」という六郷さんに、夢がないと思う一方で、「それもそうか」と思う自分がいます。

「シダさんは……」

六郷さんは何か言いかけて、黙りました。

「どうしました?」

「シダさんは……」

「はい」

「結婚式もしたい派なんでしょうか?」

長い溜めの後、六郷さんは言いました。

「ええと、そうですね……。憧れはするんですけれど、着飾って人前に出るのは恥ずかしいなとも思うんですよね」

「つまり、しない派ですか?」

「難しいですね……。六郷さんはどうですか?」

この流れからして、六郷さんは「しない派」というか「したくない派」なんだろうなと思いましたが、一応、聞いてみます。

「僕は……、お相手の方に合わせます」

えっ? そうなの?

「えっ、そうなんですか?」

「はい。可能な範囲で……」

「相手の女性がものすごく派手な結婚式を望んだとしてもですか?」

「そうですね。金銭的な問題もありますが」

「確かに」

「派手な結婚式がしたいんですか?」

「いや……、そういうわけでは……。慎ましい感じが良いです」

結婚式……。

参列するのは、好きです。もちろん、髪のセットやメイクなど面倒な部分もありますが。

でも、自分がするとなると。

先程、六郷さんにお伝えした通り、憧れはあるものの、肌をさらしたドレス姿で多くの人の注目を集めるのは正直恥ずかしいです。

もちろん、和装という手もありますが……。

ドレスへの憧れ……、白無垢への憧れ……、しかし恥ずかしい……。

「でも、今はコロナで結婚式はあまりできないですよね」

と、私は頭の隅に思いついたことを言います。

「いや、それが……、どうやら、再開してるみたいです」

「そうなんですか」

「会社の後輩が、今月、式をするらしいです。僕は呼ばれてませんが」

「へ、へぇ……」

コロナで結婚式を延期していた友達がいますが、その子も今頃、結婚式の日程調整や準備をしているのでしょうか。

私達は動物そっちのけで、そんな話をしていました。

「さっき、僕は『自分の時間が欲しい』って言っちゃって、シダさんも同意してくれた気がするんですけど、どうなんですか?」

話が戻ってきました。

「そうですね。最初はちょっと寂しいなと思いましたけど、確かに一人の時間はほしい気がします」

「じゃあ、部屋は2LDKですか?」

「えっ?」

正直、そんなこと考えたことがありませんでした。

2LDKだと、それぞれに部屋があって……、寝室はどうなるんでしょうか?

「まあ、部屋は多いほうがいいかもしれませんね」

よく分からなかったので、なんとなくで答えます。

「でも、部屋が多いと家賃も高くなるのかな?」

ふと思ったことが口に出てしまいました。

「まあ、そこは……、築年数や駅からの距離を妥協すれば……」

築年数はともかく、駅からの距離は正直、妥協したくない点です。

私が微妙に思っていることを察したのか、六郷さんは

「けっこう家にこだわりがあるほうですか?」

と尋ねてきました。

「それほど多くはないと思いますけれど、駅からは近いほうがいいです」

「歩くのは嫌いですか?」

「いや、たまに夜間作業で遅くなることがあるので……。遠いと人気もなくなりますし」

職業柄、夜間作業や残業で遅くなることもあります。

遅くなると電車は混んでいても、駅から離れれば離れるほど人が少なくなる印象です。

「なるほど……」

六郷さんも何か言いたげでしたが、それ以上は特に何も言いませんでした。

この日は、途中で飲み物休憩をはさみながら動物園を一周して解散となりました。

ご飯も食べて帰るのかと思っていたので、ちょっと意外でした。

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