youbrideで出会った一ノ瀬さんに、過去の交際人数を聞かれた私。
当初は、この質問が来た際にはごまかして話題を変える予定でした。
ですが、隠していても仕方がないと思い、正直に伝えることに変更しました。
一ノ瀬さんはいったんは
「たまたま巡り合わせが悪かったんでしょう。変な質問をしてすみませんでした。ちょっとシダさんの過去が気になってしまって」
と言ってくれたものの、
沈黙が続きます。

そのまま、私達は今回のデートのメインとなるレストランに到着してしまいました。
そこは最初に行ったアフタヌーンティーとはまた少し違った雰囲気の、アットホームだけれども格式の高そうなお店でした。
席に案内されるときもウェイターの方が私の椅子を引いてくれます。もちろんレディーファーストです。
そして向かい合って座った後には、ウェイターの方から本日のメニューについての紹介を受けます。
「素敵なお店ですね」
ウェイターの方が去った後、私は言いました。
「ものすごく久しぶりに来たけれど、やっぱり落ち着く雰囲気だなあ」
と一ノ瀬さん。
ふと、一ノ瀬さんと会うのはこれが最後かもしれないと思いました。
この時、不安があふれ出たというよりも、
「今日、水曜日かと思ったら木曜日だった」
というような自然な気付きのような感じで
不意にそう思いました。
それは先程、「交際経験ゼロ」を伝えてしまったからなのかもしれません。
なので、私は一ノ瀬さんにこれまでの感謝を伝えようと思いました。
「いつも素敵なお店に案内してくださってありがとうございます」
まずはいつもお店を選んでくれていることへの感謝から。
「いやいや。気に入ってもらえてよかったです」
とそういった後で、一ノ瀬さんは「つられて敬語になっちゃった」と笑いました。
そして、
「さっきはごめんね」
と一ノ瀬さんは続けました。
「僕はお互いの恋愛観も大事だと思っていて。そういうのって過去の恋愛の様子を聞くのが手っ取り早いって言ったら失礼だけれど、いいのかなって思ってたんだよね。どんな付き合い方をしてきたのかを聞けば、相手が僕に求めるものも分かるのかなって」

一ノ瀬さんの言っていることはいまいちピンときませんでした。
「分からないって顔してる」
「正直なところ……」
「まあ、僕個人の意見だからさ。例えば何が原因で別れたかって聞いた時に、「束縛されるのが嫌だった」っていう女性がいたら、その人は強く束縛されるのは嫌な人ってことになるし、「構ってくれなかった」って言ったら逆で連絡が頻繁に欲しいタイプ」
なるほど?
一理あるような……。
「まあ、でも、あまり意味はないのかもしれない」
「なんで?」
「うーん、なんとなくそう思った」
一ノ瀬さんがこういう感覚的なことを言うのは珍しかったので、ちょっと印象的でした。
ブログランキングに参加しています。応援していただけると励みになります。
にほんブログ村
Sponserd Link